認定再生医療等委員会とは
再生医療等安全性確保法に基づき、再生医療等を提供する際は事前に認定再生医療等委員会の審査が必要であることを再生医療等提供計画のページで解説しました。本ページでは、認定再生医療等委員会の具体的業務や委員会の構成について確認します。なお、「認定」と名がついている通り、再生医療等委員会は自由に設置できるものではなく、再生医療等安全性確保法が規定する要件を満たした上で申請し、厚生労働大臣から認定を受けなければなりません。本ページでは、新規に委員会認定を受けるための具体的手続きについても解説します。
1. 再生医療等委員会の業務とは?
認定再生医療等委員会の業務内容について、再生医療等安全性確保法の第26条では大きく以下の4業務を規定しています。
- 認定計画に関する意見
再生医療等提供機関の管理者から再生医療等提供計画について意見を求められた場合において、再生医療等提供基準に照らし審査を行い、その提供の適否及び提供に当たって留意すべき事項について意見を述べること - 疾病等報告に関する意見
再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病、障害若しくは死亡又は感染症の発生に関する報告を受けた場合において、必要があると認められるときは、その原因の究明及び講ずべき措置について意見を述べること - 定期報告に関する意見
再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供の状況について報告を受けた場合において、必要があると認められるときは、提供に当たって留意すべき事項若しくは改善すべき事項について意見を述べ、又は提供を中止すべき旨の意見を述べること - 安全性その他適正な提供に関する意見
再生医療等の安全性の確保等その他再生医療等の適正な提供のため必要があると認められるときは、再生医療等提供機関の管理者に対し、再生医療等提供計画に記載された事項に関して意見を述べること
基本的業務は再生医療等提供機関に対して意見を述べることだと分かります。重要なのは①(場合によって④)にあるように提供計画に対して意見を述べるだけでなく、②~④にあるように実際に提供が始まった後においても再生医療等提供機関に対して必要な意見を述べることが義務付けれらています。
つまり、提供計画の審査で終わり、ということでなく、計画に従って正しく運用されているかどうかのチェックを行うのも認定委員会の業務です。
2. 再生医療等委員会を設置できる団体は?
再生医療等委員会を設置できるのは、病院若しくは診療所の開設者または省令第42条第1項に規定された団体(再生医療等安全性確保法施行規則:平成26年9月26日厚労省令第110号)とされています。以下に、省令第に規定された団体を挙げます。
- 医学医術に関する学術団体
- 一般社団法人又は一般財団法人
- 特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人
- 私立学校法第3条に規定する学校法人
(医療機関を有するものに限る。) - 独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人
(医療の提供等を主な業務とするものに限る。) - 国立大学法人法第2条第1項に規定する国立大学法人
(医療機関を有するものに限る。) - 地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人
(医療機関を有するものに限る。)
大学病院を保有する国公私立大学(④、⑥、⑦に該当)の他、都道府県立の総合病院(⑦に該当)や学会(②に該当)も対象となります。
再生医療等安全性確保法で認定された認定再生医療等委員会の一覧は厚生労働省各種申請書作成支援サイトで公開されています。
特定認定再生医療等委員会はコチラから
認定再生医療等委員会(第三種再生医療等提供計画のみ審査)はコチラから
なお、省令第42条第1項に規定されている②から④の団体が設置する場合、以下の要件を満たす必要があります。
- 定款その他これに準ずるものにおいて、再生医療等委員会を設置する旨の定めがあること
- その役員のうちに、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療関係者が含まれていること
- その役員に占める次に掲げる者の割合が、それぞれ3分の1以下であること
- 特定の医療機関の職員等と密接な関係を有する者
- 特定の法人の役員又は職員等と密接な関係を有する者
- 再生医療等委員会の設置及び運営に関する業務を的確に遂行するに足りる財産的基礎があること
- 財産目録、貸借対照表等の書類を事務所に備え、一般に閲覧可能としていること
- その他、業務の公正かつ適正な遂行を損なうおそれがないこと
3. 再生医療等委員会の構成要件と成立要件
第一種と第二種の再生医療等提供計画を審査する特定認定再生医療等委員会と、第三種再生医療等提供計画のみを審査する認定再生医療等委員会では要件は違います。当然ですが、特定認定再生医療等委員会の方が認定再生医療等委員会よりも構成要件・構成基準が厳しくなっています。
特定認定再生医療等委員会(第一種、第二種の審査)
構成要件(省令第44条)
下記に規定される者が委員会に含まれていなければなりません。なお、それぞれが兼務することはできません。
- 分子生物学、細胞生物学、遺伝学、臨床薬理学又は病理学の専門家
- 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
- 臨床医(現に診療に従事している医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)
- 細胞培養加工に関する識見を有する者
- 法律に関する専門家
- 生命倫理に関する識見を有する者
- 生物統計その他の臨床研究に関する識見を有する者
- ①から⑦までに掲げる者以外の一般の立場の者
構成基準(省令第46条)
省令第46条の中では規定されていませんが、上記の構成要件①~⑧の該当者が兼務不可であることから間接的に「委員数8名」以上が必要になります。
- 男女それぞれ2名以上含まれていること
- 委員会設置者と利害関係を有しない者が2名以上含まれていること
- 同一の医療機関に所属している者が半数未満であること
- 委員数が8名以上であること
委員会成立要件(省令第63条)
- 5名以上の委員が出席していること
- 男女両性の委員がそれぞれ2名以上出席していること
- 次に掲げる者がそれぞれ1名以上出席していること
- 再生医療等について、十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
(構成要件②該当者) - 細胞培養加工に関する識見を有する者
(構成要件④該当者) - 法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者
(構成要件⑤または⑥該当者) - 一般の立場の者
(構成要件⑧該当者)
- 再生医療等について、十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
- 出席者の中に、審査等業務の対象となる医療機関(当該医療機関と密接な関係を有する者を含む。)と利害関係を有しない委員が過半数含まれていること
- 認定再生医療等委員会の設置者と利害関係を有しない委員が2名以上含まれていること
認定再生医療等委員会(第三種のみ審査)
構成要件(省令第45条)
下記に規定される者が委員会に含まれていなければなりません。なお、それぞれが兼務することはできません。
- 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者を含む2名以上の医学又は医療の専門家(ただし、所属機関が同一でない者が含まれ、かつ、少なくとも1名は医師又は歯科医師であること。)
- 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者
- ①と②に掲げる者以外の一般の立場の者
構成基準(省令第47条)
- 委員が5名以上であること
- 男性及び女性がそれぞれ1名以上含まれていること
- 再生医療等委員会を設置する者と利害関係を有しない者が2名以上含まれていること
- 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属している者が半数未満であること
委員会成立要件(省令第64条)
- 5名以上の委員が出席していること
- 男女両性の委員がそれぞれ1名以上出席していること
- 次に掲げる者がそれぞれ1名以上出席していること。ただし①に掲げる者が医師又は歯科医師である場合にあっては、②を兼ねることができる。
- 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
(構成要件①) - 省令第45条第1号に掲げる者のうち医師又は歯科医師
(構成要件①) - 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者
(構成要件②) - 一般の立場の者
(構成要件③)
- 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者
- 出席した委員の中に、審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)と利害関係を有しない委員が過半数含まれていること
- 認定委員会設置者と利害関係を有しない委員が2名以上含まれていること
4. 再生医療等委員会の認定の申請
ここから、新規に再生医療等委員会の認定を受けるために必要となる具体的手続きを解説します。再生医療等提供計画の申請や特定細胞加工物製造事業者の申請と同様、例のごとく厚生労働省の各種申請書作成支援サイトからウェブ上で申請書を作成します。
厚生労働省各種申請書作成支援サイトはコチラから
再生医療等委員会認定申請書(様式第5)の作成
申請に必要となる入力情報は以下の通りです。
- 申請書提出者情報(住所・氏名)
- 再生医療等委員会に関する事項
- 再生医療等委員会の名称・所在地
- 審査等業務の対象(第三種のみ or それ以外)
- 審査等業務を行う体制
審査等業務を継続的に行うことができる体制、再生医療等委員会の開催頻度、その他の審査等業務に関する事項を記載します。 - 手数料の算定の基準
- 再生医療等委員会の連絡先
- 委員名簿(各委員のものについて下記内容を記載します。)
- 構成要件の該当性
- 氏名
- 職業(所属及び役職)
- 性別
- 委員会設置者との利害関係の有無
これらの情報を補足するため、下記に挙げた添付資料が必要となります。実際の流れとしては、あらかじめ用意した添付資料に基づいて上記の再生医療等委員会認定申請書(様式第5)を作成することになります。
なお、これらの添付書類は厚生労働省申請書作成支援サイトで様式第5を作成する際にウェブ上へアップロードして申請できます。
医療機関開設者が認定申請する場合
- 再生医療等委員会の全ての委員の略歴を記載した書類
- 再生医療等委員会の審査等業務に関する規程
- 再生医療等委員会を設置する者に関する証明書類
(病院等の開設許可証又は開設証明証 等) - その他
(本文中に掲載しきれない説明書類等)
その他団体が認定申請する場合
- 再生医療等委員会の全ての委員の略歴を記載した書類
(法人の登記事項証明書 等) - 設置者が認定再生医療等委員会を設置する旨を定めた定款その他これに準ずるもの
- 役員の要件を満たすことを証する書類
(医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療関係者が含まれていることを示す書類) - 財産的基礎を有していることを証明する書類
- その他
(本文中に掲載しきれない説明書類等)
上記の申請事項について、厚生労働省がチェックリストを公表していますので、一つ一つ細かく確認しながら作成・資料準備を進めることになります。
申請先
上記にしたがって作成した様式第5を印刷して提出します。特定認定再生医療等委員会と認定再生医療等委員会で提出先が異なりますが、実務上は管轄の地方厚生局となります。
- 特定認定再生医療等委員会 ⇒ 地⽅厚⽣局⻑を経由して厚⽣労働⼤⾂へ
- 認定再生医療等委員会 ⇒ 地⽅厚⽣局⻑
5. 再生医療等委員会の変更
詳細は割愛しますが、下記の事由が生じた際には変更内容に応じて申請や届出などの手続きが必要となります。
| 必要な手続き | 変更内容 |
|---|---|
| 事前申請 | ・再生医療等委員会の委員の氏名及び職業(委員自体が変わる場合) ・審査等業務を行う体制に関する事項 ・審査等業務に関し手数料を徴収する場合、当該手数料の算定の基準 |
| 遅滞なく届出 | ・設置者の氏名又は名称及び住所並びに法人はその代表者の氏名 ・再生医療等委員会の名称変更・設置者の連絡先の変更 ・添付書類の変更・再生医療等委員会の委員の氏名の変更(委員自体は変わらない場合) ・再生医療等委員会の委員の職業の変更(構成要件への該当性は変わらない場合) ・委員の増減に関する変更(構成要件への該当性は変わらない場合) ・審査等業務の体制に関する事項の変更(業務の適切な実施に支障を及ぼさないもの) |
| 届出不要 | ・地域の名称の変更又は地番等の変更に伴う住所の変更 ・再生医療等委員会の委員の略歴の追加・定款その他これに準ずるものの変更であって、法令等の制定又は改廃に伴う規定の整理や、用語の整理等 |
認定の更新と廃止
認定の更新
再生医療等委員会の認定期間は認定日から3年間です。 有効期間後も引き続き委員会を設置する場合、有効期間を更新しなければなりません。 その場合、有効期間の満了の日の90日前から60日前までの間に更新の申請が必要となるので注意してください。
委員会の廃止
再生医療等委員会の設置者は、当該委員会を廃止するときは届出が必要です。 廃止届を提出するに先立ち、当該委員会に再生医療等提供計画を提出していた再生医療等提供機関に廃止の旨を通知しなければならず、 廃止手続き後は当該再生医療等提供機関に速やかに通知しなければなりません。また、当該再生医療等提供機関に対し、再生医療等の提供に影響を及ぼさないように他の認定再生医療等委員会を紹介するなど、適切な措置を講じる必要があります。
申請先
特定認定再生医療等委員会と認定再生医療等委員会で申請先が異なりますが、実務上は管轄の地方厚生局となります。
- 特定認定再生医療等委員会 ⇒ 地⽅厚⽣局⻑を経由して厚⽣労働⼤⾂へ
- 認定再生医療等委員会 ⇒ 地⽅厚⽣局⻑
まとめ
再生医療等の安全性の確保等に関する法律について、認定委員会手続きを解説しました。
再生医療を提供するためには、法律に従った導入手続きと運用が必要であり、制度の概要把握や必要書類の正確な理解が大切です。再生医療手続きの専門家である当事務所が責任をもってサポートいたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県のお手続きに対応可能です。

―記事を書いたのは私です―
行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士
東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。
静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県で再生医療導入支援・申請代行可能!
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