細胞加工物と特定細胞加工物と再生医療等製品
細胞加工物、特定細胞加工物、再生医療等製品の三つは再生医療等に用いられる概念としてよく似ています。再生医療等では一定の製造管理、品質管理のもとで製造された細胞加工物が用いられますが、これらの細胞加工が誰の責任によって行われるかによって規制している法令が異なります。単純な語感から抱くイメージで分類していると法令規制を間違えてしまいますので、この機会に正しく分類を理解しましょう。
特定細胞加工物
細胞加工物の中でも、医師や歯科医師の責任の下で製造された細胞加工物は特定細胞加工物と呼ばれ、再生医療等安全性確保法の中で規制されることになります。特定細胞加工物は次の項目で説明する再生医療等製品のように厚生労働大臣によって承認されたものではなく、当該加工物を用いた再生医療等の有効性や安全性が未確立の段階において、あくまでも臨床研究ないし自由診療の一環として製造されるものです。特定細胞加工物は、再生医療等が実際に行われる医療機関内で製造されるものもあれば、当該医療機関ではない外部の細胞培養加工施設に製造委託されるものもあります(次回、業態や許可制度についての説明で詳しく述べます)。
再生医療等製品
再生医療等の実用化を促進するための法整備がなされた際、再生医療等製品の特性を踏まえた承認・許可制度が旧薬事法の中で新設され、「医薬品」「医療機器」に追加される新カテゴリーとして「再生医療等製品」が定義され、名称新たに薬機法がスタートしました。再生医療等製品は特定細胞加工物と異なり、企業(=製造販売業者)の責任の下で製造された細胞加工物を指します。再生医療等製品は非臨床試験や治験等の結果を踏まえて企業から製造販売承認申請がなされ、PMDA 独立行政法人医薬品医療機器総合機構による審査を経て厚生労働大臣に承認を受けたものです。したがって、特定細胞加工物が自由診療における特定の患者に使用されるものであるのに対し、再生医療等製品は不特定多数の患者への使用を目的として製品化されているものであると言えます。なお、再生医療等製品にはいわゆる細胞加工物だけでなく、疾病の治療を目的とする遺伝子治療製品も含まれます(参照:正しく認識!再生医療等の「等」とは?)。
再生医療等の「等」とは? 再生医療「等」という言葉は、主に二つの再生医療関係法、「再生医療等安全性確保法」と「薬機法」の中で用いられます。日常的な「等」の使い方で言えば、再生医療「的な同種のものが他にもまだある」といった意味合いです[…]
おわりに
以上のように、細胞加工物は法規制上二種類に分類されており、特定細胞加工物と再生医療等製品で規定する法律や責任の所在、製品が使用される対象者が各々異なることを確認しました。次回は、これら二つ業態や許可制度について具体的に説明したいと思います。
| 特定細胞加工物 | 再生医療等製品 | |
|---|---|---|
| 規定・定義される法律 | 再生医療等安全性確保法 | 薬機法 |
| 責任の所在 | 医師・歯科医師 | 企業(製造販売業者) |
| 使用される対象患者 | 特定 | 不特定 |
再生医療を提供するためには、法律に従った導入手続きと運用が必要であり、制度の概要把握や必要書類の正確な理解が大切です。再生医療手続きの専門家である当事務所が責任をもってサポートいたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県のお手続きに対応可能です。

―記事を書いたのは私です―
行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士
東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。
特定細胞加工物製造に必要な許認可の種類 前回は細胞加工物の法規制上の分類、特定細胞加工物と再生医療等製品について確認しました。今回は、特定細胞加工物製造の業態として3つの許認可分類、「届出」・「許可」・「認定」について一つ一つ確認し[…]
再生医療等製品の許可制度 前回は特定細胞加工物製造の業態として「届出」・「許可」・「認定」について一つ一つ確認しました。特定細胞加工物と再生医療等製品の違いシリーズ最終回の今回は、再生医療等製品の業態について確認していきます。 […]
静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県で再生医療導入支援・申請可能!
メールでのお問い合わせは下記フォームをご利用ください
必要事項をご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。メールは24時間受け付けております。
お問い合わせフォーム送信後、自動で受付メールを返信いたします。
受付メールが届かない場合は、別のメールアドレスをご使用いただくか、お急ぎの場合は下記の電話番号までご連絡ください。
行政書士あくろ事務所 事務局
TEL: 050-3559-8924
【お電話受付時間】 9:00~17:30 (土・日・祝日は除く)




