再生医療等に用いられる細胞とは?

再生医療等に用いられる細胞とは?

「再生医療」との出会い

2002年頃だったと記憶しています。たまたま夏休みに通っていた某予備校で、世間にまだまだ知られていなかった再生医療について特別講義のようなものを拝聴しました。幹細胞や軟骨細胞の物理的刺激による細胞分化、組織形成コントロールの試みといった、高校生だった私にはチンプンカンプンな話だったものの、すべての細胞に分化誘導し得る胚性幹細胞「ES細胞」という言葉を初めて知った日です。将来的にES細胞を主体とした医療技術によって再生医療は100億ドル市場になるだろうという話、スゴイ未来がやってくるのだなという強烈な衝撃を受けたことをいまだに覚えています。今にして思えば、自分の興味関心が生命科学研究へ向き、進路(薬学部進学)を決めた人生のターニングポイントでした。

それから数年後の2006年、山中伸弥先生のマウスiPS細胞作製成功があり、翌年にはヒトiPS細胞作製成功に至り、2012年の山中先生のノーベル生理学医学賞受賞によって一気に現実的なものとして「再生医療」が知れ渡ることになりました。再生医療ブーム最高潮な時だったにも関わらず、どういうわけか私は卒業研究配属先として有機化学研究室を選んだのですが・・・

ノーベル賞によりiPS細胞を利用する再生利用が一気に実現性を帯びた

再生医療等に利用される細胞の種類

長くなった前段はさておき、再生医療等に用いられる細胞とは具体的に何を言うのでしょうか。以下の4つが挙げられます。

iPS細胞「induced Pluripotent Stem cell」

ヒトの皮膚や血液などの体細胞にごく少数の因子(特定の4つの遺伝子)を導入し、培養することによって作製された多能性幹細胞(人工多能性幹細胞)。

メリット

  • 様々な組織や臓器の細胞に分化できる
  • 自己複製能をもち、ほぼ無限に増殖できる
  • 自分の細胞で作製でき、拒絶反応の問題が生じにくい
  • ES細胞に比べて倫理上の問題が少ない

デメリット

  • 腫瘍化など、未知のリスクがある

ES細胞「Embryonic Stem cell)」

ヒトやマウスの初期胚(胚盤胞)から将来胎児になる細胞集団(内部細胞塊)の細胞を取り出し、あらゆる細胞に分化できる能力を保持したままシャーレの中で培養し続けることを可能にした多能性幹細胞(胚性幹細胞)。

メリット

  • 様々な組織や臓器の細胞に分化できる
  • 自己複製能をもち、ほぼ無限に増殖できる

デメリット

  • 他人(受精卵の提供者)の細胞から作製するため、拒絶反応の課題がある
  • ES細胞の採取には受精卵を用いるため倫理的な問題を抱えている
  • 腫瘍化など、未知のリスクがある

体性幹細胞

生物が生体内に有しており、一定の限られた種類の細胞に分化できる幹細胞。体性幹細胞の一つであるMSC(間葉系幹細胞)は、骨や軟骨、血管、心筋細胞に分化できる能力をもつ。

メリット

  • 自分の細胞から調製可能で拒絶反応の問題が少ない
  • 腫瘍化の可能性が低い

デメリット

  • 特定の数種類の細胞にしか分化できない

体性幹細胞以外の体細胞

生物が生体内に有している幹細胞以外の細胞。すでに特定の種類の細胞に分化していて、別の種類の細胞に分化する能力はない。

メリット

  • 自分の細胞から調製可能で拒絶反応の問題が少ない
  • 腫瘍化の可能性がほとんどない

デメリット

  • 分化して異なる細胞になることはない

おわりに

以上、再生医療等に利用され得る細胞についておさらいしました。やはり、将来的に最も強力かつ有効な医療技術となるのはiPS細胞だと考えられます。iPS細胞は自前の細胞で調製できるので、誰かの受精卵を壊して作製するES細胞に比較すれば確かに倫理的な問題は生じにくいです。iPS細胞は体細胞に発がんに関連する遺伝子を導入して作製するため、これらの初期化因子が再活性化したり、もともとの細胞がもつゲノムを傷つけたりしてiPS細胞が腫瘍化するのでは、という懸念が一般にデメリットとして知られています。この大きなデメリットについても、再活性化を起こさない最適な初期化因子が継続的に探索されていますし、初期化因子がゲノムに傷をつけないiPS細胞の作製方法も開発されています。今後さらなる応用研究、臨床検証によってこれらのリスクは大幅に減少していくことが期待されます。

再生医療を提供するためには、法律に従った導入手続きと運用が必要であり、制度の概要把握や必要書類の正確な理解が大切です。再生医療手続きの専門家である当事務所が責任をもってサポートいたします。

ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県のお手続きに対応可能です。


川戸勇士 静岡県磐田市の行政書士

―記事を書いたのは私です―

行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士

東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。


再生医療等提供計画の作成や特定細胞加工物製造届に関する基礎知識はこちらから

再生医療等の提供を始めるにあたって必要となる
基礎知識はこちらから


静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県で再生医療導入支援・申請可能!

メールでのお問い合わせは下記フォームをご利用ください

必要事項をご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。メールは24時間受け付けております。

お問い合わせフォーム送信後、自動で受付メールを返信いたします。
受付メールが届かない場合は、別のメールアドレスをご使用いただくか、お急ぎの場合は下記の電話番号までご連絡ください。

LINEからのお問い合わせはコチラから

行政書士あくろ事務所 事務局
TEL: 050-3559-8924
【お電話受付時間】 9:00~17:30 (土・日・祝日は除く)

    任意 ご所属(社名など)

    必須 お住まい/申請予定の地域

    必須 お名前

    任意 フリガナ

    必須 電話番号

    必須 メールアドレス

    ※こちらのフォームからの問い合わせ回答は、基本的にメールで対応させていただきます。
    お電話での回答をご希望される際は、メッセージ本文にその旨ご記載くださいませ。

    任意 件名

    必須 メッセージ本文

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    >お気軽にご相談くださいませ

    お気軽にご相談くださいませ

    「こんなこと、相談してもいいのかな?」
    些細なことでも構いません。お悩みやご不安がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
    法人個人問わず、どなたでも安心してご依頼いただけるよう、お客様一人ひとりの想いを大切に。
    ご理解とお求めのレベルを互いに確認し合いながら、誠心誠意お手伝いさせていただきます。
    ぜひ一緒に力を合わせて夢や目的を実現させましょう!

    行政書士あくろ事務所
    〒438-0817
    静岡県磐田市上万能494 1階2号
    TEL: 050-3559-8924
    E-mail: info[at]acro-office.com