医薬部外品製造業①~製造業者の具体的な業務~
1. 製造業 ≠ 製造販売業
医薬部外品製造業者は、医薬部外品製造販売業者の委託を受けて製品を実際に製造する者です。
製造した製品は、製造販売業者又は製造業者にのみ販売・賃貸・授与することができます。つまり、製造業者は市場に出荷できない=ユーザーに直接販売できません。
2. 医薬部外品製造業の区分
医薬部外品を製造するためには製造所ごとに「医薬部外品製造業」の許可が必要です。製造所ごとですので、製造を委託する場合でも委託先が製造業の許可を受けることが必要です。製造業には区分があります。なお、同一製造所で複数の製造区分を取得することが可能です。また、令和3年8月1日の法改正により、新たに製造業「登録」の制度が設けられました。詳しくは製造業④~医薬部外品製造業登録申請~にて解説します。
- 医薬部外品製造業(1号区分; 無菌)
・・・無菌医薬部外品(無菌化された医薬部外品をいう)の製造工程の全部又は一部を行うもの(3号区分に掲げるものを除く) - 医薬部外品製造業(2号区分; 一般)
・・・無菌医薬部外品以外の医薬部外品の製造工程の全部又は一部を行うもの(3号区分に掲げるものを除く) - 医薬部外品製造業(3号区分; 包装等)
・・・1号区分、2号区分の医薬部外品の製造工程のうち、包装、表示、保管のみを行うもの
具体的内容は以下の通りです。製造と聞くと粉や液体を混合するイメージがありますが、、外国から医薬部外品(製品、完成品)を輸入して日本語ラベルに貼りかえる、市場に出すまで倉庫で製品を保管しておくなど、粉や液体に直接触れない行為も薬機法上は医薬部外品製造業になります。
・「一般」には、「包装・表示・保管」の工程を含みます。
・「包装」には、製品を化粧箱に入れる等の包装行為を含みます。
・「表示」には、法定表示を製品に貼付する等の行為を含みます。
→ 輸入製品の場合、ラベルを貼りかえるなどして日本語表示にする必要があります。
・「保管」には、出荷判定待ちの製品の倉庫保管、出荷判定後の出庫業務等を含みます。
→ 外国で国内表示を行った製品の場合でも、国内の製造業許可を受けた設備内で保管し、出荷前に必要な試験検査を行う必要があります。
3. 輸入した医薬部外品を自社製品として市場に出荷する場合
医薬部外品の製造・輸入・市場出荷~必要な許可や届出~でも解説していますが、まず、大前提として市場出荷には医薬部外品製造販売業許可が必要です。その上で、出荷する品目が医薬部外品製造販売承認を受けている必要があります。上の1. 記載の通り製造業 ≠ 製造販売業なので、自社(=製造販売業者)があわせて製造業許可を取得していない場合は、実際の製造について
- 国内製造であれば必要な許可区分を持つ医薬部外品製造業者へ
- 海外製造であれば医薬部外品外国製造業者認定を受けた製造業者へ
それぞれ製造委託することになります。
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―記事を書いたのは私です―
行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士
東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。
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