「特定活動(ワーキングホリデー)」とは
そもそもワーキング・ホリデー制度とは、二国・地域間の取決め等(二国間協定)に基づいて、各々が相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国と滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。
「特定活動(ワーキングホリデー)」とは、旅行あるいは就学(勉強)をしながら就労(働く)することができ在留資格のことです。普通、外国人が日本へ旅行する際に取得している在留資格は「短期滞在」(短期滞在ビザ)です(多くの国では短期滞在ビザの取得を免除されており、パスポートのみで日本に入国できます)。しかしながら「短期滞在」では就労が認めれていません。外国人が日本国内で就学(勉強)するために取得している在留資格は「留学」(留学ビザ)ですが、「留学」においても就労時間は制限されています。これらを踏まえると、働きながら旅行する、勉強しながら旅行することが認められいる在留資格は「特定活動(ワーキングホリデー)」のみとなります。
「特定活動(ワーキングホリデー)」の対象となる外国人は、日本との間で二国間協定を結んでいる国の外国人です。日本では、1980年にオーストラリアとの間でワーキング・ホリデー制度を開始したことにはじまり、2022年4月現在、以下の26の国・地域との間で同制度を導入しています。昨今のコロナ情勢の影響を受けて一時的に停滞していますが、年間約1万9千人程度(2019年)の相手国・地域の青少年が「特定活動(ワーキングホリデー)」を取得して来日しています。
国・地域名 | 年齢 | 在留期間 | 年間発給枠 | 制度開始年 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | オーストラリア | 18~25 | 6ヵ月 (最大1年) | 無 | 1980 |
2 | ニュージーランド | 18~30 | 1年 | 無 | 1985 |
3 | カナダ | 18~25 | 6ヵ月 (最大1年) | 6,500 | 1986 |
4 | 韓国 | 18~25 | 1年 | 10,000 | 1999 |
5 | フランス | 18~30 | 1年 | 1,500 | 2000 |
6 | ドイツ | 18~30 | 1年 | 無 | 2000 |
7 | 英国 | 18~30 | 1年 | 1,000 | 2001 |
8 | アイルランド | 18~30 | 1年 | 800 | 2007 |
9 | デンマーク | 18~30 | 1年 | 無 | 2007 |
10 | 台湾 | 18~30 | 1年 | 10,000 | 2009 |
11 | 香港 | 18~30 | 1年 | 1,500 | 2010 |
12 | ノルウェー | 18~30 | 1年 | 無 | 2013 |
13 | ポルトガル | 18~30 | 1年 | 無 | 2015 |
14 | ポーランド | 18~30 | 1年 | 500 | 2015 |
15 | スロバキア | 18~30 | 1年 | 400 | 2016 |
16 | オーストリア | 18~30 | 6ヵ月 | 200 | 2016 |
17 | ハンガリー | 18~30 | 1年 | 200 | 2017 |
18 | スペイン | 18~30 | 1年 | 500 | 2017 |
19 | アルゼンチン | 18~30 | 1年 | 日から亜:200 亜から日:400 | 2017 |
20 | チリ | 18~30 | 1年 | 200 | 2018 |
21 | アイスランド | 18~26 | 1年 | 30 | 2018 |
22 | チェコ | 18~30 | 1年 | 400 | 2018 |
23 | リトアニア | 18~30 | 1年 | 100 | 2019 |
24 | スウェーデン | 18~30 | 1年 | 無 | 2020 |
25 | エストニア | 18~30 | 1年 | 日からエストニア:無 エストニアから日:100 | 2020 |
26 | オランダ | 18~30 | 1年 | 200 | 2020 |
「特定活動(ワーキングホリデー)」の取得要件
日本と当該相手国・地域の政府または当局は、おおむね次の要件を満たす国民や住民に対してワーキング・ホリデーのための査証を発給しています。
- 相手国・地域に居住する相手国・地域の国民・住民であること。
- 一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図を有すること。
- 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(オーストラリア、カナダおよび韓国との間では18歳以上25歳以下です。各々の政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能です。また、アイスランドとの間では18歳以上26歳以下の方が申請可能です。)。
- 子または被扶養者を同伴しないこと。
- 有効な旅券と帰りの切符(または切符を購入するための資金)を所持すること。
- 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること。
- 健康であること。
- 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。
ワーキング・ホリデー制度の利用者は、滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労が認められます。ただし、「特定活動(ワーキングホリデー)」を取得して来日する外国人は、風俗営業等に従事することはできません。これら業種への従事は、人身取引等の被害を受けた場合を除き、退去強制事由に該当します。また、これら業種へ従事させた者については不法就労助長罪、人身売買罪等に問われることもあります。
まとめ
在留資格「特定活動(ワーキングホリデー)」について簡単に紹介しました。「特定活動(ワーキングホリデー)」においては、風俗営業等を除いて必要となる旅行資金を補うために就労を行うことができます。取得要件は各国で多少の違いがありますが、ほとんどの国において年齢は「18歳以上30歳以下」、在留期間は「1年」または「6ヵ月」です。
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―記事を書いたのは私です―
行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士
東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。
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