技術・人文知識・国際業務での検討事項

「技術・人文知識・国際業務」ビザ取得での確認事項

はじめに

技術・人文知識・国際業務ビザを取得する場合、就労の根拠となる契約の分析、従事予定の就労活動のビザ適合性、他の就労ビザに該当する可能性がないかの確認、雇用主の事業の適正性・安定性・継続性の確認、活動に必要な専門知識と外国人がもつ専門知識との関連性の確認、報酬の妥当性の確認などが必要です。

就労の根拠となる契約を分析する

技術・人文知識・国際業務ビザ(正確には在留資格)により日本国内で行うことができる活動は、日本の公私の機関との契約に基づいて行う活動であると定められています。したがって、原則として日本国内の雇用主との間で契約が締結されていること、およびその活動が契約に基づくものであることが必要です。

まずは就労の根拠となる契約を分析し、申請人の具体的活動内容を明確にすることから始めます。

従事予定の就労活動が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に適合するかを確認する

技術・人文知識・国際業務ビザで定められている活動内容以外の活動により、収入または報酬を得ることはできません。申請人が日本国内で行う予定の就労内容が技術・人文知識・国際業務ビザが定める活動と整合性があるかを確認する必要があります。

また、それら整合性を確認するに際し、専門能力を必要としない単純就労業務は技術・人文知識・国際業務ビザが定める活動に該当しないことを念頭におき、申請人が行おうとする業務について必要とされる専門知識や実務経験をあらかじめ整理しておく必要があります。

他の就労ビザに該当する可能性がないかを確認する

申請人が行おうとする活動が「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「企業内転勤」「介護」および「興行」など他の在留資格・ビザに掲げられている活動に該当する場合、技術・人文知識・国際業務ビザで申請人は就労活動できません。

就労ビザの活動内容の該当性を正確に判断しておく必要があります。

雇用主の事業の適正性、安定性、継続性を確認する

国公立機関以外の機関との契約に基づいて業務を行う場合、当該機関の事業が適正に行われるものであり、安定性や継続性が認められるものでなければなりません。

適正性という観点からは、当該機関が必要とされる許認可等を保有していることなど、適法に事業運営していることを確認する必要があります。

安定性および継続性の観点からは、少なくとも申請人の在留期間の間について当該事業を継続する意思や能力があることを確認する必要があります。

従事しようとする活動に必要な専門知識等と外国人がもつ専門知識等との関連性を確認する

業務に必要とされる専門的知識や実務経験が定められていることから、申請人が従事しようとする業務とそれら専門的知識・実務経験との関連性について確認する必要があります。

関連性の検討にあたっては、申請人が日本国内で行う具体的活動内容を明確にし、そこで必要となる専門的知識や経験を抽出するところから始めます。その上で、申請人がそれらの専門的知識や経験を持っているかどうかを検討することになります。 

報酬が著しく低廉なものでないかを確認する

技術・人文知識・国際業務ビザをもつ外国人を雇用する場合、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けるという要件が定められています。

報酬の妥当性については個々の企業の賃金体系や同業他社の賃金と比較して判断されることを念頭におき、外国人であることのみを理由として報酬が著しく低いものになっていないかを確認する必要があります。

まとめ

技術・人文知識・国際業務ビザを取得する場合に検討すべき事項を確認しました。就労の根拠となる契約の存在、ビザの活動内容の該当性、受け入れ企業の安定性、専門的知識や経験との関連性、報酬の妥当性について不備やおぼつかない点がないかをしっかりと確認するようにしてください。

ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県のお手続きに対応可能です。

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川戸勇士 静岡県磐田市の行政書士

―記事を書いたのは私です―

行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士

東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。


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