中国人との国際結婚~大前提となる条件~
✓日本の役所と中国の役所両方で結婚手続きが必要です。
※日本と中国のどちらで先に結婚するかで必要な手続きが異なります(下で説明します)
✓日本人の結婚可能年齢(日本の民法):男性18歳/女性18歳
✓中国人の結婚可能年齢(中国の婚姻法):男性22歳/女性20歳
✓日本では女性は離婚から100日間結婚できません(再婚禁止期間。中国では設定なし)
✓国際結婚の手続き完了と日本国内で一緒に暮らすことは別の話です。一緒に日本で暮らすためには在留資格(配偶者ビザ)が必要です。
日本と中国 どちらから先に結婚手続きするべきか
パートナーの中国人がすでに日本の中長期ビザ(3カ月以上)を取得している場合、日本の役所から先に結婚手続きすることが可能です。パートナーの中国人が短期滞在で日本にいる場合、あるいはまだ中国にいる場合は中国から先に結婚手続きを行います。
ただし、日本から先に手続きができる場合でも、国際結婚後の配偶者ビザの取得難易度などを踏まえると、中国から先に結婚手続きをする方が多くのメリットがあります。手続きの順番によってどのように流れが変わるのか、以下で説明します。
中国で先に結婚手続きする場合
大きな流れは以下の通りです。
- 日本人の婚姻要件具備証明書の取得
場所:日本の法務局または中国の日本国大使館・領事館 - 婚姻要件具備証明書の公印確認
場所:外務省(東京)または外務省大阪分室(大阪) ※郵送可 - 婚姻要件具備証明書の認証
場所:日本の中国大使館、領事館 - 婚姻の登記申請&結婚証の取得
場所:中国人パートナーの常住居民戸口簿所在地の省、自治区、直轄地の人民政府が指定する婚姻登記処 - 婚姻届の提出
場所:日本の市区町村役場
ステップ① 日本人の婚姻要件具備証明書の取得
日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。取得先は住所地を管轄する日本の法務局です。なお、中国の日本国大使館や領事館でも取得できます。本人が直接法務局に出向きます。
必要書類
- 申請書
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 申請者の戸籍謄本
- 結婚相手の身分証明書の写し(正式な姓名、生年月日、国籍がわかるもの)
- ■ 手数料無料
- ■ 当日発行
ステップ② 婚姻要件具備証明書の公印確認
婚姻要件具備証明書を外務省で認証してもらいます。手続き先は東京の外務省か大阪の外務省分室のどちらか好きな方に持参するか、郵送します。持参の場合、手続きは2営業日程度ですが、郵送の場合は受け取りが2週間前後先になるので注意が必要です。
外務省で認証を受けるための必要書類
- 申請書 申請書ダウンロードページ
- 婚姻要件具備証明書(原本)
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 返送先を記入した封筒(切手貼付)など
- ■ 手数料無料
ステップ③ 婚姻要件具備証明書の認証
外務省で認証された婚姻要件具備証明書を日本の中国大使館または総領事館で認証してもらいます。すなわち、婚姻要件具備証明書は外務省と中国大使館の二段階認証です。婚姻要件具備証明書に限らず、日本の官公所が発行する公文書は、中国の官公署へ提出する前に日本の外務省の公印確認と中国大使館や総領事館の認証を取得しておかなければなりません。
- 婚姻要件具備証明書(原本:外務省認証済のもの)
- パスポート
- ■ 手数料 4営業日・・・5,200円~/ 翌々日・・・9,500円~/ 翌日・・・11,400円~
ステップ④ 婚姻の登記申請&結婚証の取得
日本人と中国人パートナー両人が中国に行って中国人パートナーの常住居民戸口簿所在地の省、自治区、あるいは直轄地の人民政府が指定する婚姻登記処で婚姻の登記手続きを行います。
申請完了後に結婚証を発行してもらえます(=中国での結婚成立)。この結婚証は日本で先に結婚手続きをした場合は発行されません。
中国での国際結婚で日本人に必要書類は以下の通りです。ただし、日本のように必ずしも全国統一されておらず、管轄する婚姻登記処によって異なる場合があります。事前に問合せをするなどしてもう一度日本と往復するような事態にならないように細心の注意を払いましょう。
- 婚姻要件具備証明書(認証済み)
- 中国語に翻訳した上の婚姻要件具備証明書
- パスポート
なお、中国人パートナーが必要な書類は以下の通りです。
- 居民戸口簿
- 居民身分証
- パスポート
ステップ⑤ 婚姻届の提出(報告的届出)
中国で婚姻登記手続きを行った後、帰国して日本国内の市町村役場で婚姻届を提出します。必要な書類は以下の通りです。
- 婚姻届
- 結婚公証書
※上述の「結婚証」とは異なります。結婚公証書は結婚をした事実を公的に証明するものです。 婚姻登記所(結婚手続き事務をする役所)でもらった「結婚証」他を管轄の公証処(日本でいう公証役場のようなところ)に提出すると、「結婚公証書」を取得することができます。 - 中国人配偶者の出生公証書(役所によって不要な場合あり)
- 中国国籍証明公証書(役所によって不要な場合あり)
※婚姻届以外は中国人パートナーの戸籍所在地の公証処で取得することができます。日本語翻訳文書が必要です。
なお、日本の役所ではなく、中国現地の日本国大使館や領事館での婚姻届提出も可能ですが、手続きが2ヵ月程度かかります。日本人の方が帰国する場合は日本の役所で手続きした方がスムーズです。
以上で、日本と中国の両国における国際結婚手続きが完了します。なお、大前提で述べたように、日本国内に引き続き居住するためには、在留資格(配偶者ビザ)を取得する必要があります。
日本で先に結婚手続きする場合
パートナーの中国人がすでに日本の中長期ビザ(3カ月以上)を取得していることが必要
続いて、日本で先に結婚手続きを行う場合について解説します。下の大まかな流れに示すように、中国人パートナーに関わる必要書類の取得からスタートです。
- 中国人パートナーの婚姻要件具備証明書の取得
場所:日本の中国大使館、総領事館 - 婚姻届の提出
場所:日本の市区町村役場 - 婚姻届受理証明書の公印確認
場所:外務省(東京)または外務省大阪分室(大阪) ※郵送可 - 婚姻届受理証明書の認証
場所:日本の中国大使館、総領事館 - 戸口簿の変更手続き
場所:中国の役場
ステップ① 中国人パートナーの婚姻要件具備証明書の取得
中国人パートナーの婚姻要件具備証明書を取得します。取得先は日本国内の中国大使館や総領事館です。本人が直接大使館・領事館に出向き、申請窓口の職員の面前で声明書への署名が必要です。
必要書類(中国人パートナー)
- 申請書
- 声明書
- パスポートと写真ページのコピー
- 申請者の住民票の写しまたは在留カード原本と両面コピー
■ 当日発行
ステップ② 婚姻届の提出
日本の市町村役場に婚姻届を提出します。過去に離婚や死別している場合は複雑になり、追加書類が必要です。市町村役場によっては不要となる場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
手続き完了後、婚姻受理証明書を受領します。
※ 婚姻相手(中国人パートナー)が中国で死別や離婚歴がある場合、中国で発行される死亡公証書、離婚公証書、離婚調停書などが必要です。
※ 婚姻相手(中国人パートナー)が日本で死別や離婚歴がある場合、日本で発行される死亡届受理証明書、離婚届受理証明書などが必要です。
必要書類
- 婚姻届
- 日本人の戸籍謄本(本籍地以外の市町村役場へ婚姻届を提出する場合)
- 中国人パートナーの在留カード
- 中国人パートナーのパスポート
- 中国人パートナーの姻要件具備証明書(日本語翻訳文書必要)
ここで、少しややこしい話をします。
日本で先に結婚手続きする場合、中国人パートナーとの国際結婚自体は日本の役所に婚姻届を提出することで成立します。中国での婚姻は日本では有効ではないのに対して、日本の婚姻は中国で有効となるからです。しかしながら、中国人パートナーが日本で結婚した事実を中国の戸口簿(日本の戸籍のようなもの)を管轄する役所は知りません。中国の戸籍では「未婚」扱いのままとなっています。中国では結婚と戸口簿(=中国の戸籍)が紐づけされていませんので、戸口簿のステータスを「未婚」から「既婚」に変更する手続きが必要になります。そのための手続きをステップ③以降で説明します。
ステップ③ 婚姻受理証明書の公印確認
市町村役場で発行された婚姻受理証明書を外務省で認証してもらいます。手続き先は東京の外務省か大阪の外務省分室のどちらか好きな方に持参するか、郵送します。持参の場合、手続きは2営業日程度ですが、郵送の場合は受け取りが2週間前後先になるので注意が必要です。
外務省で認証を受けるための必要書類
- 申請書 申請書ダウンロードページ
- 婚姻受理証明書(原本)
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 返送先を記入した封筒(切手貼付)など
■ 手数料無料
ステップ④ 婚姻受理証明書の認証
日本の中国大使館または総領事館で認証してもらいます。すなわち、婚姻受理証明書は外務省と中国大使館の二段階認証です。婚姻受理証明書に限らず、日本の官公所が発行する公文書は、中国の官公署へ提出する前に日本の外務省の公印確認と中国大使館や総領事館の認証を取得しておかなければなりません。
- 婚姻受理証明書(原本:外務省認証済のもの)
- パスポート
■ 手数料 4営業日・・・5,200円~/ 翌々日・・・9,500円~/ 翌日・・・11,400円~
ステップ⑤ 認証済みの婚姻受理証明書を中国に送付
中国人パートナーの戸籍所在地の派出所に提出します。郵送でも構いません。通常、日本語から中国語への翻訳文も同時に求められます。これにより、中国人パートナーの中国での戸籍上も「既婚」となります。
以上で、日本と中国の両国における国際結婚手続きが完了します。
ただし、中国で先に結婚手続きを行った場合と異なり、中国の婚姻登記処で婚姻の登記手続きを行っていないので、結婚証を受領できません。
まとめ
以上、中国人との国際結婚について手順を大まかに解説しました。国際結婚の手続き完了後、引き続き日本で一緒に暮らすためには入国管理局への在留資格許可申請(配偶者ビザ取得)が必要です。ご不明な点がございましたらお気軽に行政書士あくろ事務所お問い合わせください。静岡県、愛知県を中心に全国47都道府県のお手続きに対応可能です。
―記事を書いたのは私です―
行政書士あくろ事務所 代表
川戸 勇士
東大大学院博士課程修了/行政書士・薬剤師・博士(薬学)
薬・医療・国際化をキーワードとする許認可手続きを業務の柱として、すべての人が健康で豊かな暮らしを実現できる社会を目指しています。
レモンサワー・とり天・うなぎが大好物。
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